2007年5月28日月曜日

方鉛鉱 GALENA 神岡鉱山産


鉛の主鉱石であるガレナです。

硫黄と鉛の結合した天然石で、さいころみたいな6面体の端っこが少し欠けたような結晶形をしています。

最初ガレナを知ったとき、鉛そのものの色っていうのが衝撃的でした。ちょっと黄土色っぽい結晶はカルコパイライトです。

ガレナは、表面が少し酸化して光沢が落ちてしまっている標本が多く、これだけ光輝いている標本は貴重です。

針のように細かい水晶と白い厚みのある板のようなカルサイトを伴っています。いろいろな鉱物が集合体となって織り成す景色が美しいですね。

鉛の鉱物ですので、持つとずっしりと重い石です。この重さが金属結晶コレクションの魅力のひとつと言えます。

煙水晶 SMOKYQUARTZ 神岡鉱山産


岐阜県のスモーキークオーツ産地といえば、恵那市周辺の花崗岩地帯から産出するものが有名です。

この天然石は珍しく神岡鉱山のヘデンバージャイトの中のポケットから出たもので、黒いスファレライトと裏側には薄いアメジストと黒いイルバイトの結晶と伴っています。

こういった産状のスモーキークオーツは珍しく、僕の所蔵品の中でも唯一のものです。

もともとはアメジストとしてできたものが、何らかの作用でスモーキークオーツに変化したものと思いますが、どういう作用でこうなるのかはよく分かりません。

まわりは白い水晶なのに、ポケットの中心に向かうほどスモーキークオーツになるというのが面白いですね。

閃亜鉛鉱 SPHALERITE 神岡鉱山産


画像の奥の方にはカルサイトの白いころっとした結晶が写っていますし、まわりには水晶の単結晶がにょきにょき生えていて、見ていて飽きない石です。

この石もべっこう亜鉛といえる石で、透明感があるのが分かります。

閃亜鉛鉱 SPHALERITE 神岡鉱山産


このスファレライトは硫化亜鉛で、亜鉛の主要な鉱石として世界中で採掘されています。

鉄の含有量によって色彩の変化の激しい石で、通常鉄分の多い真っ黒なものがほとんどですが、稀に透明なものや白色、黄緑色、黄色などが存在します。

この石は一見黒色ですが、強い光を当てると、透明感があり、このようにべっこうに似た色彩を放ちます。そのため日本名では通称べっこう亜鉛と呼ばれています。

一見不透明な金属の結晶に見えますが、強い光によって変化するさまがとても魅力的で、かなりお気に入りの石です。屈折率もとても高く、磨いてやると、かなり強い照りがあるのですが、硬度が低くて宝石用には加工されていません。

スファレライトの横に小さな水晶が花のようにしているところがチャーミングな石ですね。

金属が結晶するってみなさんご存知でしたか?
僕は最初標本を見たときに衝撃的でした。鉱石はすべて塊でしか採れないと思っていましたので・・・

水晶 QUARTZ 甲武信鉱山産


丸い緑のクロライトを主とする両すいの緑水晶の上に、透明で美しい大きな白水晶がくっついているものです。

通常はセプタークオーツと言って、細い水晶の上に大きな水晶がくっついているものを割と見かけますが、このように片面にずれてくっついている石は、めったに見ることがありません。

この場所の水晶には、横の柱の面に透明な水晶がくっついたものも有り、非常に特異な形状のセプタークオーツ?が数多く見つかりました。

水晶 QUARTZ 甲武信鉱山産


この水晶はアクチノライトインクリュージョンではなくクロライトインクリュージョンだと思われます。

結晶の表面に丸い球でいっぱいついています。

他に0.3mmほどの結晶ですが、チタナイト(楔石)の結晶が無数といえるほどの数ついています。少しクリーム色っぽい小さい結晶がそれです。

それと水晶の内部にある黒色の板状結晶はイルメナイト(チタン鉄鉱)です。チタンリッチな緑水晶ですね。

ちなみに大きさは約7センチの水晶です。20センチくらいのポケットから、この水晶を最大に約30本ほど産出しました。すべての水晶にチタナイトがいっぱいついています。

水晶 QUARTZ 甲武信鉱山産


ジャパニーズローツインの双晶形態の水晶です。結晶そのものはややルーズですが、緑水晶の日本式双晶はかなり珍しいので、お気に入りの石です。

X字型になっている点もいいですね。